愛知県名古屋市在住です。
自分がせめていまできることとして。美味しいのはもちろん、体や環境に優しい食べ物を提供しようと、誠心誠意励んでくださっている生産者さんから、今後は積極的に食材を買いたい。
そう考えていた矢先、こうした食材・料理を扱うお店が集まるマルシェが地元で開催されました。
https://kodawarin.jp/storystreet/cbc/
そこで、ノーマ農園をはじめ各地で援農(農作業の援助・手伝い)をなさっている中上嘉文さん( https://ja-jp.facebook.com/yoshifumi.nakagami.5 )のブースで野菜を買ったのがきっかけです。
どの農園も、農薬・化学肥料・動物性堆肥・除草剤を用いず、自然栽培で野菜や穀物を作ったり、それらを添加物フリーで加工したりしています。中上さんは、こうした農園から作物や製品を取り寄せて、愛知県内各地へ宅配・販売も行っているとのことで、お願いしました。
通常は、中上嘉文さんのfacebookページ( https://ja-jp.facebook.com/yoshifumi.nakagami.5 )から問い合わせができます。また、ノーマ農園のHPからも、購入会員になることで注文できます( http://www.normanouen.com/application/index.html )。県外への配送も可能です。
利用し始めた当時は、ラインナップが一部の野菜に限られているように見えたので、もう1つ、大手の食材宅配も併用していました。
大手の食材宅配は、野菜・果物、穀物に限ってもよりラインナップが広く、自分が食べたいものをすぐその場で選べるように感じました。一方、あくまで季節・旬に従ったラインナップなので、何がいつ旬なのか、より広く学べるとも思いました。
当時、もう一つ併用する大手の食材宅配は「ビオ・マルシェ」の「ゆうきだいすきセット」に決めました。量が比較的ちょうどよく、より多くの種類の野菜・果物が詰め合わせで楽しめると感じたのが理由の一つです。
とはいえ、一人暮らしでやはり流石に余りも出てくるので、その分は家族や友人にプレゼントしていました。
どちらも、留守の間に置き配してくださいました。開封すると、届けていただいた野菜はどれも綺麗で、確かに自然な形でした。土やある程度の虫を覚悟していましたが、綺麗に洗ってくださっているのか、ごく一部の作物を除いて殆どそれらはなく、調理しやすかったです。
サービスの利用と並行して、当初から抱いていた以下の4つの疑問についても、調べたり学んだりしていきました。
・そもそも「自然栽培、オーガニック」だから安心で美味しいのか?
・有機JAS認証やそのマークがあれば本当に安全安心か?
・農薬や化学肥料、除草剤なしで、実際にどうやって栽培しているのか?その苦労は?
・実際にどうやって野菜や果物、そのほか食物を選べばいいか?目利きが知りたい。
まず、「自然栽培」「有機栽培」「無農薬」と表示されていても、実際はどうなのか。
これらはどれも、健康や環境に配慮した、食物の「生産・流通の体制そのもの」を指してはいます。しかし、それ以上の具体的な定義・基準はありません。
「自然栽培」については、悪く言えば名乗ったもの勝ちなところがあります。
一方、「有機栽培」「無農薬」については公的な「基準」があります。つまり、農薬・化学肥料等として国として何を禁止し、それら禁止物をどれくらいの期間使用していないか等、いくつかの細かい条件が定められています。第三者の認証機関で審査を受け、それらの条件をクリアしていると認められれば、「有機栽培農産物」と(さらに、農薬を全く使用していない場合、「無農薬」と)名乗ってよく、その証なる「認証マーク」を表示して良いという決まりがあります。ヨーロッパではこうした制度やその実施がもっと進んでいる(基準・条件がより明確・厳しい)とも言われています。
実際は制度に則って認証を得ていない場合でも、「有機栽培」や「無農薬」を名乗っている製品はあります。しかし、公的機関での審査は受けていないので、認証マーク、日本では有機JASマークを勝手に付けることはできません。
こうしたなかで、「ビオ・マルシェ」は、より客観的でわかりやすい基準として、全作物が「有機JAS認証」もしくは他国の有機認証を取得していることを、他の宅配サービスとの違いとして強調しています。それがひとつの決め手と、当初はなりました。
しかし、「その食べ物が真に身体に優しい安全な食べ物かどうか」を決めるのは「認証を受けているから」「有機・無農薬だから」ではない。そう、思うようになりました。
日本の有機JAS認証ではまだ基準が甘いところがあるとされています。例えば、許可されている農薬・肥料については使用量も際限がないことです。使用量があまりにも過剰だとかえって土壌が弱まりますが、その規制はありません。
また、一部認められている動物性肥料(糞)や穀物肥料では、やはり元となる家畜や穀物での遺伝子組み換え技術使用の有無等までは遡って問われません。
認証制度は改定も今後されていくものですが、近年、急速に発展・変化している「遺伝子操作・ゲノム編集」の事情を踏まえ、遺伝子技術を応用した食品や種・苗をどう規制するか、最近ではその行方が注目を集めています。
こうした事情が、例えば『自然栽培 そら』の記事でわかりやすく記載されています。→https://muhiryou.jp/
他、無肥料栽培家、岡本よりたか氏の著作も、実際の栽培方法まで、写真や図表、カラーな図もところどころ交えて、とてもわかりやすいです。
『野菜は小さい方を選びなさい~オーガニックだから「安全」「美味しい」ではない!~』
『無肥料栽培を実現する本』
『続・無肥料栽培を実現する本』
結論として、「食の安全性・信頼性」は「生産者さんのことを直接知り、生産者さんと繋がる」に尽きると思うようになりました。
実際、中上嘉文さんにはイベント出店時に会いに行ってお話を聞いたり、facebookに投稿していらっしゃる記事で農園の様子が垣間見えたり。
中上さんがサポートしているノーマ農園も、ブログやfacebookで、その様子や栽培方法の解説を詳しく記載しています。
ビオ・マルシェでは、スタッフさんが生産者さんのところまで取材しに行って、その記事が食材と一緒に届くので、毎回、それも楽しみでした。
そうして、旬な食物、更には在来種 ( 同じ種類でも土地によって異なる特徴のものが育ち、しかもその土地でしか育たない) の作物まで楽しんでいきました。
そうしているうちに、「かぼちゃやトマト、ナス…通年、夏野菜を食べたい!」と思っていたのが、「その季節、その土地でとれるものを、有り難くいただこう」という心境に、宅配利用開始から半年後には変わっていきました。
そして、当初は限られていると思っていたノーマ農園のラインナップで、充分に日々の自炊・食事をまかなえるようになりました。より地元の農園を中上さんをとおして応援し続けたく、ビオ・マルシェの宅配は解約することにしました。
いま、岡本よりたか氏が愛知県まで出張して開催してくださる「無肥料栽培セミナー」にて、実際にどうやって農薬や化学肥料等なしで栽培するのか、月に1~2度、体験しています。
植物・自然法則に則った合理的でシンプルな原理である一方、作業自体は手間ひまかかります。株間を開けて苗を植えたりもするので、数量的にも自給自足分だけでも大変です。
それを私たち消費者の分まで作って流通してくださるなんて。。頭が下がる思いです。食材宅配の有難みが増しました。
ノーマ農園や中上さんからも、農業体験・援農の募集がたまにあるので、そうした機会をもっと利用して生産者さんともっと繋がりながら、安心して旬・地元の食材を楽しんでいきたいです。
食材宅配を利用したきっかけ・目的
農薬・化学肥料、土壌の微生物や栄養価の低下、抗生物質・ホルモン製剤の使用、添加物、遺伝子組み換え・F1品種、環境への負荷など…近年、「食の安全性」が問われているのを、見聞きするようになったのがきっかけです。
「あなたの健康のためには、こんな野菜や果物から、こんな栄養素をとるといいよ。」と指導を受けたとして、実際スーパーや台所で何気なく手にしたいま目の前の食材は、本当にそれら栄養素を充分に含んでいるのか。残留農薬など、引き換えに摂取しているものはないか。安全か。
せめていま自分ができることとして。美味しいのはもちろん、体や環境に優しい食物を提供しようと誠心誠意励んでくださっている生産者さんからの食品を、今後は選んでいきたいと考えました。
そうそした食品を扱っている実店舗は限られているものの、宅配サービスが寧ろいろいろ立ちあげられていることに、購入先について調べて驚きでした。宅配であれば買い物の負担が減るとも思いました。
また、必然的に季節に応じてラインナップが決まるので、いつどれが旬の食材なのか知ること、「旬」というものを楽しむ習慣がつくことも期待できました。